コーポレート・サステナビリティ・デューディリジェンス指令案の背景・概要・見通し

2023年6月に、「コーポレート・サステナビリティ・デュー・ディリジェンス指令案」(以下、CS3D案)の欧州議会修正案が採択されました。以下、CS3D案の背景、欧州委員会、欧州議会、欧州理事会の各草案について概要、適用までの見通しについて解説します。

「コーポレート・サステナビリティ・デュー・ディリジェンス指令案」(以下、EU指令案)の欧州議会修正案が採択されました。EU指令案の背景、概要、適用までの見通しについて解説します。

Point 1

欧州委員会、欧州理事会、欧州議会の各草案が出そろい、最終化に向け3者間で協議し、本年中または来年前半に向けて指令の成立を目指すことが見込まれており、本指令が成立し、発効した後、各国では国内法の制定または改正を行うことが求められているため、2026~2027年頃には、本指令が各国の国内法を通じて適用される可能性がある。

Point 2

本指令案では、これまで国家の義務と考えられてきた人権課題への対応が、企業の義務として法令化され、人権および環境に関するデュー・ディリジェンスに関するルールが、EU域内の企業、EU域外でEUに拠点を有する企業に適用される。対象となった企業は、自社および子会社のみならずバリューチェーン上の取引先を含めた包括的なデュー・ディリジェンスの実施が義務付けら、企業は人権対応への取組が必要となる。

Point3

グローバルに活動する企業であればあるほど人権尊重を重視する必要があり、疎かにする企業は、経営に重大なリスクを負うこととなり、ビジネスの持続可能性を損い、企業価値の低下を招く恐れがある。重大な経営リスクを回避するためにも早期にCS3Dへの取組みを開始することが肝要である。

執筆者

KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパン サステナブルバリュー統轄事業部 サステナビリティ・トランスフォーメーション シニアマネジャー 片桐 求 シニアマネジャー 加治 孝幸

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