IPOマーケットレポート(12/18~1/12)

東証スタンダードに2社、東証グロースに7社の合計9社の新規上場が行われました。2023年の新規上場社数は、前年比5社増の96社となりました。

東証スタンダードに2社、東証グロースに7社の合計9社の新規上場が行われました。2023年の新規上場社数は、前年比5社増の96社となりました。

1.直近のIPOの状況

上場日 会社名 事業内容 市場 主幹事 売上高 公開価格 初値 時価総額
監査法人 経常利益 初値
12/18 雨風太陽 CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」運営、生産者の販路拡大等の支援サービス 東G SMBC日興 636 1,044 3,106
EY新日本 ▲ 321 1,320
12/19 エスネットワークス 財務・会計分野を中心とした実務実行支援型コンサルティングサービスの提供 東G SBI 2,650 730 5,962
トーマツ 235 1,956
12/20 ロココ ITアウトソーシング・BPOサービスおよびシステム開発・保守・導入支援等 東S 野村 6,929 1,128 3,850
PwC Japan 699 1,100
12/20 ナイル 自動車産業 DX事業、ホリゾンタルDX事業 東G SMBC日興 4,139 1,680 13,144
トーマツ ▲ 1,354 1,540
12/21 マーソ 人間ドック・健診の予約プラットフォームおよび各種DX支援サービスの開発・運営等 東G SBI 2,251 2,260 7,341
大有 997 2,079
12/22 早稲田学習研究会 小学生・中学生・高校生を対象とする学習塾事業の経営 東S 野村 6,110 970 11,416
應和 1,247 1,118
12/22 ヒューマンテクノロジーズ 勤怠管理を中心としたクラウドサービスの開発および提供 東G みずほ 4,223 1,224 10,865
トーマツ 326 1,194
12/25 ナルネットコミュニケーションズ オートリース等の自動車関連企業・個人に対する車両管理やメンテナンス管理事業 東G みずほ 6,418 1,040 5,097
太陽 390 956
12/27 yutori 衣料品および雑貨等の企画並びにそれらの小売・卸売事業 東G 大和 2,470 2,520 4,429
トーマツ ▲ 54 2,829

※売上高・経常利益は、直前期の数値。また、単位は、売上高・経常利益・時価総額は百万円、公開価格・初値は円で記載。 ※国際財務報告基準(IFRS®会計基準)により、財務諸表を作成している会社は経常利益に代えて税引前当期利益を記載。 ※市場区分については、東S(東証スタンダード)、東G(東証グロース)を表示。

2.IPO市場の概況

東証スタンダードに2社、東証グロースに7社の合計9社の新規上場が行われました。2023年の新規上場社数は、前年比5社増の96社となりました。

12月18日に東証グロースに上場した雨風太陽は、農家や漁師等の生産者と消費者を仲介する産直プラットフォーム「ポケットマルシェ」の運営を主力に展開しています。2023年9月時点で全国1、500を超える自治体の約7,900人の生産者が登録し、ユーザー数は70万人を超えて推移しており、野菜・果物・魚介類などの調理法についてもアプリ上でやり取りをしながら旬の食材を購入できます。また、生産者の出品した食材を返礼品としてふるさと納税もできる「ポケマルふるさと納税」や、移住促進や観光プロモーションといった自治体支援サービスなども展開しています。なお、東日本大震災をきっかけに2013年に岩手県花巻市に設立されたNPO法人を母体として2015年に同社が設立されました。こちらの初値は公募価格を約26.4%上回りました。

12月22日に東証スタンダードに上場した早稲田学習研究会は、小中学生対象の集団指導塾「W早稲田ゼミ」、高校生対象の集団指導塾「W早稲田ゼミハイスクール」、小中高校生対象の個別指導塾「ファースト個別」の3つの学習塾を展開しています。2023年10月末時点で、教室数は59,2023年3月期の期中平均生徒数は、1万7,248人で推移しました。同社は1987年に群馬県太田市で開業し、栃木、埼玉、東京などに拠点を広げてきました。優秀な教師の採用・育成、オリジナル教材の開発に加え、広い駐車場がある大型の郊外型校舎が多く、指導効率が高い点を特徴としています。こちらの初値は、公募価格を約15.3%上回りました。

12月22日に東証グロースに上場したヒューマンテクノロジーズは、クラウド勤怠管理SaaS「KING OF TIME」の開発・販売を展開しています。2023年9月時点で、卸売・小売業や医療・福祉、建設業、製造業など幅広い業界の中小・中堅企業を中心に導入企業は5万社を超え、利用ID数は約306万で推移しています。サービス課金はIDあたり月額300円とし、従来は出退勤を打刻した従業員のみの課金でしたが、今後は打刻の有無にかかわらず登録している従業員全員に課金する方式へ順次変更し、収益を拡大する見込みです。また、個別企業の就業規則に対応した管理集計を可能としており、勤怠データを給与計算や人事管理に活用されています。直販に加えて、通信キャリアなどの販売パートナーやOEM経由の販売チャネルを多様化している点も強みとなっています。こちらの初値は、公募価格を約2.5%下回りました。

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3.市場別IPO社数(上場承認公表ベース:年初からの累計)

(1/12上場承認公表分まで)

合計 東証プライム 東証スタンダード 東証グロース その他
96社 2社 23社 66社 5社
シェア 2.1% 24.0% 68.8% 5.2%

※その他市場については、名証メイン、名証ネクスト、札証本則の上場社数の合算を記載。

4.初値騰落率(平均)の推移(直近2年間の四半期ベース)

IPOマーケットレポート(12/18~1/12)

※直近四半期(23年4Q)については、2024年1月12日時点の新規上場社数を記載し、初値騰落率については(初値-公開価格)/公開価格にて算出した、各四半期の新規上場会社の初値騰落率の平均値を記載。

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